HOME > 2019年09月
一般的に建てられる住宅は、見た目が現代風であっても、木材がふんだんに使われているこ とがあります。今回は、そんな現代風の住宅の中での、木材の使い方についてご紹介しま す。
現在工事を行っている住宅も、実は床から天井裏までいたるところに木材が使われていま す。これだけ木が多いと、現場もほんのりと木の香りに包まれてきます。
こちらの住宅は、木材と木材を、加工工場の機械によって継ぎ手をつくる「プレカット工 法」で建てられています。
日本の木造建築を作る伝統的な技法として、大工が手刻みで木材に「ほぞ」「ほぞ穴」を作 り、ネジやクギを使わずに木材同士をつなぎ合わせる方法があります。これは、古い神社や お寺の建物に使われている技法でもあり、長く受け継がれる建物を作るうえでとても重要。 ですが、大工に高い技術が要求される(荒野建設でも請け負うことがあります)、工期が長 くなる、といった面もあるので、伝統的な技法で建てる住宅はコストが高くなってしまうこ とがあります。
一方で、建物の剛性を保ちながらも施主様のご要望を実現させやすい「プレカット工法」 は、工期やコストを抑えることができます。ちなみに、伝統的な技法とは違う工法で作られ ている住宅ですが、上棟式の時に取り付けられた幣束は、屋根裏の部分に取り付けられてい ます。
※ちょっと詳しく解説:プレカット工法では、材料を加工工場に搬入した後、図面をもとにコンピューターが 「継ぎ手」を加工します。職人が行う手刻みより加工時間が短いですが、複雑な継ぎ手加工には不向きです。木 材同士の継ぎ方が単純なので、結合金物を使ってしっかりと補助固定し安定させる必要があります。現在の日本 の住宅では、9割以上でこの工法が用いられています。
効率性を重視したプレカット工法を使いながらも、木材の温もりも大切にしたいのが私たち 荒野建設。今回建てさせていただいている住宅でも、見える部分の木材(化粧材)にこだ わっています。
大黒柱は、現代風の住宅でもデザインとして取り入れるいことができ、ここには木目が美し い「欅(ケヤキ)」を使用しています。また、大黒柱は、プレカット工法ではなく、手刻み 加工で配置しました。写真の真ん中のあたりにある太い柱が欅。他の木材と比べても、木目 の雰囲気が違います。
普通ならクロス(壁紙)を貼ってしまう天井ですが、部分的に板張りの天井になっている部 屋も作っています。
軒裏(のきうら)という、屋根の軒の裏側にも木材を使っています。建物から離れていると きは見えないですが、玄関先に立った時などついつい見てしまう部分。ここにも、板をしき つめ、木の温かさ、美しさが見えるようにしています。
現代的の「木の家」
クギを使わない昔ながらの木造建築工法による住宅も魅力的ですが、現代には現代のニーズ に合わせた「木造建築」の作り方があります。「これから建てる家には木をたくさん使いた いけど、お金がかかってしまいそう...」と思っている方も、ぜひ荒野建設までご相談を。コ ストと木の魅力を両立させたお家をご提案させていただきます。